資格の取得は意味がない?資格で得られる7つのメリットと注意点

「キャリアアップのためになにか資格を取ろうかな」
「転職に有利なら頑張って取ってみてもいいか」
「でも資格を取ってもあまり意味がないって聞いたことあるような...」
このように考えていませんか?
本記事では「資格を取得することは本当に意味があるのか」についてなぜそう言われているかの理由を紹介し、答えについても詳しく解説します。
これから転職を考えていて何かしらの資格を取ろうと思っている方はぜひ本記事を参考にしてください。
資格を取得しても意味がないと言われる理由
「資格を取っても意味がない」「取っても結局使えない」などといった意見を一度は聞いたことがあるという人もいるのではないでしょうか。
それではなぜ資格を取っても意味がないと言われるのか、ここではその理由について解説していきたいと思います。
資格を取得しただけでは食べていけない
資格が意味がないと言われる1つの理由として「資格だけでは食べてはいけない=資格を取得しても意味がない」と考えている人がいるからです。
確かに資格を取っても必ず企業で働けるわけではないですし、間違いなくお金を稼げるといったことはありません。
「資格を持っている」と「仕事ができる」は全く別です。
だからといって「資格は意味がない」といった考えは極端すぎます。
そういう極端に考えてしまう方もいるため、「資格は意味がない」といった声が聞こえてくるのです。
また弁護士などの士業のように資格がないとそもそも就けない仕事があることも覚えておきましょう。
これについては後ほど詳しく解説します。
趣味として取得する資格がある
趣味として取得する資格を指して「資格は意味がない」と言っている人もいます。
資格には大きく分けて「転職や独立に役立つ、お金を稼ぐために必要な資格」と「お金を稼ぐ目的ではない、趣味としてのユニークな資格」の2つです。
この「趣味としてのユニークな資格」には、例を挙げるとどのくらい猫が好きかを測る「ねこ検定」や、人をほめる達人を輩出する目的の「ほめ達検定」などがあります。
ビジネスシーンで使うというよりも生活を楽しく豊かにしてくれる資格。
こういった資格と、転職や独立に役立つ資格を一緒くたにして考える人がいるため、「資格は意味がない」と言われるのです。
実務経験が一番大事とされている
「実務経験があれば転職の際に資格なんていらない」といった考えの方がいるため、資格は意味がないとされることがあります。
確かに、転職する際に実務経験というのは大きな選考基準となり、採用の判断としてとても重要な部分です。
しかし同じくらい実務経験のある2人がいて、1人は転職先の企業で役立つ資格を持っているとすれば、同じタイミングで企業の選考を受けた場合、実務経験に加え資格を持っている人の方が有利であることは明白でしょう。
実務経験が大事なのは間違いありませんが、資格は意味がないというのは極端な認識です。
資格を生かせなかった人や挫折した人の主張
せっかく努力して資格を取ったのに就職活動や転職時に活用できなかった人や資格を取るための勉強に挫折してしまった人が「資格なんて意味がない」と悔しさや嫉妬から吹聴していることもあります。
「自分がダメだったから意味がない」といった短絡的な思考に陥ってしまう場合もあるので、こうういった意見は真に受けないように気をつけましょう。
あなたに適した資格を取ってはじめて役立つ
「資格を取る意味はあるのか」という疑問の答えを出すのであれば、「現在のあなたに適した資格を取ってはじめて役に立つ」と伝えておきます。
やみくもに資格を取得しても役に立つかどうかはその時の状況や資格を使う目的によって変わるでしょう。
例えばあなたが事務職への転職を考えていて、採用面接でアピールするための資格が欲しいとします。
事務職への転職でプラスに評価されやすい資格の例としては「簿記検定」「MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)」などが挙げられるでしょう。
もしあなたが「危険物取扱者」「宅地建物取引士(宅建)」の勉強をして合格できたとします。
2つとも資格としては役立つものではありますが、事務職の採用面接でプラスの評価になるかと言えばそうはなりません。
求められるスキルが違っています。
あなたの置かれている状況やその時の目的によって、すべての資格は「役に立つ資格」にも「役に立たない資格」にも変わるのです。
資格のために勉強した時間は無価値ではない
仮に取った資格があなたにとって役立つことはなかったとしましょう。
すると「合格のために費やした時間は無駄だった」と思ってしまいがちです。
このようなネガティブな気持ちが強まると「資格を取っても意味がない」という偏った考え方になってしまいます。
少なくとも、資格取得のために勉強した時間は無価値ではありません。
勉強を通してあなたには以下のような能力が自然と身についているのです。
・学習時間を確保するためのタイムマネジメント能力
・試験に必要な教材や道具を調べる情報収集能力
・長い時間机に向かって勉強する集中力
・スマホやテレビ、ゲームなどの遊びに誘惑されないセルフマネジメント能力
など。
これらは資格のように肩書きとなるものではありません。
しかし今後仕事をする時や新しく資格を取ろうと考えた時にそのまま使える立派なスキルなのです。
資格を勉強することで手に入るのは、「資格そのものだけではない」ということも理解しておきましょう。

資格を取得することで得られる7つのメリット
ここではより具体的に資格を取る意味を知ってもらうため、「資格を取ることで得られる7つのメリット」について解説します。
資格を持っていなければ働けない職業に就ける
職業によっては必ず取得しなければいけない資格があります。
その資格がなければ働くことができないのです。
そういった資格を業務独占資格と呼びます。
たとえば、医療の仕事である医者薬剤師、建築や建設の仕事である建築士、電気工事士、法律に関わる仕事の弁護士、公認会計士などの職業です。
こういった職業に就くためには必ず国の法律に基づいた国家資格を取得しなければいけません。
難しい資格ばかりですが、国家資格を取得することで資格を持っていない人が働くことのできない職業に就くことができるのです。
転職先が求めている資格であればちゃんと意味がある
転職先が求めている資格であれば、意味がないなんてことはあり得ません。
応募要項に必須となっている資格がある場合、その資格を持っていなければ募集することもできないのです。
資格が必須である場合のほかにも、なくてもよいがあれば給与面で優遇されるといった募集もあります。
また、実務経験がなくても資格があることで採用してくれる企業もあるので、企業が求めている資格を取得しておくことは大きなメリットとなるでしょう。
目的を持つことでキャリアアップにつながる
自分が将来どうなりたいのか目標を決め、その目標に辿り着くために必要である資格を判断し取得することでキャリアアップに繋げることができます。
人生設計の逆算により昇進やキャリアアップに必要となる資格を取得するのは賢い考え方といえるでしょう。
ただやみくもにお金になりそうな資格を取得するのではなく、あくまでも自分の進むべき道に必要な資格を選定し取得することが大切です。
努力をアピールできる
ビジネスシーンで使える資格の取得難易度は様々ですが、努力なしではどういった資格も取得できません。
そのため、資格を持っているだけで「しっかりと努力ができる人なんだな」と書類選考や面接時によい印象を与えられる場合があります。
加えて、その資格を取得した目的なども話せるようになっておけば、自己PRや面接で詳しく聞かれた際も好印象を与えられるでしょう。
仕事の幅が広がり昇進するチャンスが増える
今働いている会社で使うことのない資格を持っていたとしても、急な異動や業務内容の変更があった場合、その資格が役立つことがあります。
急な決定事項で白羽の矢が立った時に活躍できれば、評価のアップに繋がるのは間違いないでしょう。
過去に取得していた資格が役に立つといったこともあるのです。
自分に自信がつく
勉強して資格を取得することは転職や独立に役立つだけでなく、精神的にもプラスとなります。
勉強自体が苦手という人は資格を取得したことで「こんな自分でも頑張れば取得できた」という自信がつくでしょう。
また「資格を取得できるだけ頑張れる人であり、スキルもある」と客観的に評価され、認められることで抱えていた自信のなさが解消されます。
取得できたという事実は一生涯消えることはありませんし、自分の自信につながるのです。
クラウドソーシングで案件が取りやすい
もしもあなたが副業としてクラウドソーシングを使い、なにか仕事を考えているのであれば、募集している案件の内容に沿った資格を持っていることで、案件を獲得しやすくなります。
案件を依頼したクライアント側は応募してきた人の実務経験やポートフォリオなどの少ない情報で判断しなければいけませんので、関連する資格を持っているだけでクライアントを安心させることができ、説得力が増します。
資格が役立たないケースもある
せっかく頑張って取得した資格でも、「転職に全く使えなかった」ということがあります。
ここでは、どういった場合にそのようなケースが起こるのか紹介します。
応募する企業の仕事と全く関係のない資格
応募する先の企業が必要としていない資格を持っていても、実務で使うことがないため採用される確率が上がることはあまりないでしょう。
資格を取得したという努力面を評価されることや、もしかすると入社後に部署異動や業務内容の変更により使える場合があるかもしれませんが、まずは入社するために必要な資格を取得するべきです。
しっかりと応募する先の企業の業務を把握して、ミスマッチの起こらないよう気をつけましょう。
資格よりも実務経験が求められる場合
資格よりも実務経験を重要視して採用を行っている企業もあります。
そういった企業の場合、資格があっても実務経験がなければ、いくら詳しい知識があっても採用にはなりません。
即戦力が欲しい企業の多くは「実務経験はないが資格は持っている人」よりも「実務経験豊富だが資格は持っていない人」の方が欲しい人材です。
企業によって求める人材は違うので、そういった場合にはいくら資格を取得していようとも採用されません。
また30歳以上で転職する方は即戦力を募集しているかどうかに関わらず、実務経験を重要視される傾向が強くなっています。
希少性がない資格
1週間や2週間仕事の合間をぬって勉強すれば誰にでも取れるといった民間の資格は、残念ながら役に立たないことが多いものです。
医療系の資格講座を紹介しているテレビCMなどで「全国どこでも使える資格」と紹介されているからといって、その資格を持っていたらすぐに就職できるというわけではありません。
通信講座で教材を売ったり生徒を集めたりしたい会社が儲けたくて人気のある資格を紹介しているだけといった場合もあります。
資格とは呼ばれていますが、採用の際に全くプラスにならない検定試験のようなものも多いため、資格の勉強をする時それが本当に必要な資格であるかどうかを考えるようにしましょう。

資格を取得する際の注意点
資格を取得する際には注意しなければいけないポイントがいくつかあります。
ここで紹介することを心構えとして持ち、資格取得の際にぜひ参考にしてください。
資格さえあれば安心と思ってしまう
「資格さえ持っていれば就職できる」「資格を取ったから職に困ることはない」といった考えは危険です。
そのよう就職保証のある資格という夢のような資格は存在しません。
どんな資格であろうと企業とのマッチングができなければ働くことはできないのです。
取得自体を目的として考えるのではなく、ツールとして資格を取るといった認識がなければ、痛い目を見ることになってしまうでしょう。
難しい資格だからよいという訳ではない
合格率が10%を切るような難関資格であっても「転職を希望する先の企業が必要としていない」「需要過多」などの場合は役に立ちません。
国家試験の難しい試験を突破して資格を取得すれば、就職ができてよい給料がもらえるといったことはないのです。
「努力ができて頭のよい人」というイメージは与えることができるかもしれませんが、勉強した時間を考えると恐ろしく費用対効果の悪いこととなってしまうでしょう。
世の中の変化に置いていかれないようにする
ITの進歩にともない、AIによって職業を奪われてしまうといったことが世の中では危惧されている問題でもあります。
いつどんな職業がAIに取って代わるかは誰にもわかりません。
だとすれば、長い時間をかけてようやく資格を取得したとしても、その職業の雇用自体がなくなっている可能性もあります。
資格を取得することで転職できたとしても、翌年にはその仕事がなくなってしまうかもしれないので、世の中のニーズにマッチした資格をしっかりリサーチしましょう。
学習コストが低く、取得しやすい資格であっても、ニーズが高ければ仕事に直結します。
また情報収集を積極的に行っている感度の高さもアピールできるでしょう。
世の中の状況は驚くべきスピードで変化しています。
資格を取ることに必死になりすぎて周りが見えなくなってしまわないように気をつけましょう。
資格がなくても手に職はつけられる
ここまでは資格を取得することを前提に解説してきましたが、「資格がなくても手に職をつけられる職業」というのもあるので紹介します。
専門的なスキルが必要とされる職業のITエンジニア
ITエンジニアは取得しなければいけない資格というものがありません。
しかしプログラミングという専門的なスキルを身につければ手に職をつけることができます。
先述したようにいつどんな職業がなくなるかはわかりませんが、世界のトップ企業は全てIT企業であり、そのシステムの中核を担っているのも、AI技術を作っているのもITエンジニアです。
それに加えて市場の需要が現在も伸び続けていることを考えれば、仕事がなくなるリスクが限りなく0に近いのはITエンジニアと言えるでしょう。
ただし資格がいらないからといって簡単にできる仕事ではなく、プログラミングスキルを身につけるのは一朝一夕ではいきません。
現在ではさまざまなプログラミングスクールがありますが、働くことができるレベルになるまで平均でも1000時間の学習時間が必要だと言われています。
まとめ
資格の取得は決して意味のないことではありません。
うまく活用すれば転職の助けやキャリアアップにつながるでしょう。
ただし資格を取得すること自体を目的として考えてしまうと、思った結果にならなかった時「資格は意味のないもの」と認識してしまう可能性もあります。
資格はあくまでも手段として扱うことで、あなたの可能性を最大限に広げてくれるでしょう。