専門学校を卒業すると受験できる国家資格とは?

専門学校は国家資格を取るための登竜門です。
国家資格にはさまざまな種類があります。
中には専門学校で勉強しながら単位を取得することが受験資格の条件になる国家資格もあります。
大学と比べて専門学校の良さは資格に関係する勉強を中心に学ぶことができるため、最短で国家資格を取得する(受験資格を満たす)ことができる点です。
ここでは専門学校を卒業するだけで取得できる(受験資格を満たす)国家資格についてご紹介します。
卒業するだけで取得できる国家資格
専門学校を卒業するだけで取得できる国家資格があります。
試験を受ける必要がなく、授業を理解して単位を取得するだけで良いのです。
これらの資格をベースにして、さらに上位資格取得へのステップにすることもできます。
専門学校を卒業するだけで取得できる主な国家資格
・調理師(修業年限1年以上)
・栄養士(修業年限2年以上)
・保育士(修業年限2年以上)
・幼稚園教諭2種(修業年限2年以上)
・測量士補(修業年限1年以上)
卒業するだけで取得できるだけでなく、他にも有利な点があります。
例えば測量士補の資格取得者は登記が必要な測量を行う土地家屋調査士試験が一部免除。
さらに調理師免許があれば、飲食店の開業に必要な食品衛生責任者(都道府県条例)の養成講習を受ける必要がありません。
しかし福祉系の国家資格で人気のある介護福祉士は専門学校卒業などによる国家試験の免除が2016年度から廃止されました。
これまでは専門学校・短大・大学などの養成機関で一定の単位を取得するだけで資格を取得できました。
今後、介護福祉士の資格取得を目指している方々は注意が必要です。
卒業すると受験ができる国家資格
専門学校を卒業すると国家試験の受験資格が取得できる国家資格があります。
在学中や卒業後に国家試験を受ける必要がありますが、授業をしっかり理解して単位を取得すれば合格も夢ではありません。
これらの資格をベースにしてさらに上位資格取得へのステップにすることもできます。
卒業すると国家試験の受験資格が取得できる国家資格
専門学校を卒業すると国家試験の受験資格が取得できる国家資格はたくさんありますので、ここではいくつかの例をあげています。
・自動車整備士2級(修業年限2年以上)
・看護師(修業年限3年以上)
・歯科衛生士(修業年限3年以上)
・美容師(修業年限2年以上)
・柔道整復師(修業年限3年以上)

資格を得るメリット
医療系の国家資格はそもそも資格を取得しないと働くことができないケースがほとんどです。
例えば看護師資格を持たずに看護的な業務を行う場合、多くは看護助手という名称になります。
仕事内容は後方支援的なものにとどまり、配膳の手伝いや器具類の洗浄などがメインとなります。
当然、収入面も看護師免許保持者に比べて大幅に安くなります。
歯科衛生士に対しても歯科助手という位置づけの職務があり、看護助手と同じような仕事内容です。
このような違いは法律で決められていて、国家資格を持たない者は職務の範囲が限られます。
国家資格を保持することで、法律的に認められるだけでなく、職務の幅が大きく広がるわけです。
もちろん資格がなくても勤務できる職場は数多くあります。
ただ資格はキャリアアップするために必要なものになります。
大卒が多い職場では業務と関連する国家資格があれば待遇・昇進にそれほど差がつかなくなります。
また場合によっては出産・育児で退職するケース、あるいは配偶者の転勤で居住地を転々とすることもあるはずです。
この場合も国家資格があれば仕事探しに有利になります。
例えば看護師であれば病院や福祉施設など働く場所が多数あり、求人も足りていない状況なので、転職や復職がしやすいのです。
専門学校卒の国家試験合格率は?
専門学校の国家試験の合格率は資格によってさまざまです。
例として医療系で2014年度に行われた国家試験の合格率は下記のような状況です。
【臨床検査技師】
合格率82.1%
専門学校卒80.0%、大卒87.3%(臨床検査専門学部)
【診療放射線技師】
合格率73.8%
専門学校卒68.6%、大卒76.6%
【理学療法士】
合格率82.7%
専門学校卒79.4%、大卒88.0%
こうして見ると専門学校と比較し、大学の合格率の方が上回っていることが分かります。
しかし専門学校の方が劣っていると一概には言えません。
「臨床検査技師」「診療放射線技師」「理学療法士」も多くの専門学校の就学期間は3年で、大学よりも1年短いケースが多いからです。
さらに専門学校・大学を問わず、各校によって合格率は大きく異なります。
肝心なのは合格実績の高い学校を選ぶこと。
例えば受験者数が1~2人で合格率100%といわれても、データとしては不完全です。
パーセンテージではなく、必ず実数も確認する必要があるのです。
国家試験を目指すなら、一定の数の受験者がいて、かつ過去数年分のデータをパンフレットで公開しているような専門学校を選ぶと安心です。
将来の自分の目標にとって必要な資格を中心に進学先を考えることは非常に大切です。